Rubyをインストールする macOS 10編
macOS 10にRubyをインストールする方法を紹介します。
今回は、既に入っていたHomebrewとrbenvを一旦アンインストールして再インストールしました。
環境によって記事のとおりにいかない場合もあると思います。
インストールがうまくいかないときはエラー表示などをもとに調べると、解決策がみつかる場合もあります。
あきらめずに再挑戦してみましょう。
目次
rbenvでRubyをインストールする
インストールの手順
MacにはRubyがはじめからインストールされています。ここでは新しいバージョンのインストールとバージョン管理の方法を紹介します。
Rubyのインストールとバージョンの管理にはrbenvというソフトウェアを使うのがおすすめです。
まずインストールの手順をまとめます。
Xcodeとは
Xcodeはアプリ開発ツールです。Homebrewのインストールに必要です。
Homebrewとは
Homebrewはパッケージ管理システムです。ソフトウェアのインストール、アップデート、アンインストールなどの管理ができます。
rbenvとは
rbenvはRubyを管理するシステムです。rbenvを使うとRubyのインストールやバージョン管理が楽になります。今回はrbenvをインストールするのにHomebrewを使います。
ツールをインストールしていく
Xcodeをインストールする
Xcodeは既にインストールされている場合もあります。その場合はfinderで探せます。
あるとすれば通常はアプリケーションの中に入っています。
finder > アプリケーション > Xcode.app
Spotlight検索から「Xcode」で探すこともできます。
なければインストールします。
XcodeはApp Storeからインストールできます。通常のアプリと同じようにインストールすれば問題ありません。
Homebrewをインストールする
Homebrewはターミナルを使ってインストールします。
コマンドは、Homebrewの公式Webサイトからインストール用のコードをコピーします。
Homebrew公式ページ
https://brew.sh/index_ja
コピーしたらターミナルに貼りつけて実行します。
注意
ソフトウェアのインストールには時間がかかります。ターミナルは$記号が出るまでは何かの動作をしています。$記号が出るまで新たな操作はしないようにしましょう。
ただし、動作中にYes/noやpasswordなどを求めてくるときもあります。その際は指示に従って入力します。
/usr/bin/ruby -e "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install)"
(コードは公式Webサイトにある最新のものを使うようにします)
途中、次のようにreturnキーを押すよう求められるので指示通りreturnキーを押します。
==> The Xcode Command Line Tools will be installed. Press RETURN to continue or any other key to abort
しばらくすると次のようにPasswordを求められます。Macにログインするときのpasswordを入力してreturnキーを押します。
Passwordの入力中は画面に何も表示されませんが、入力されているのでかまわずreturnします。
==> /usr/bin/sudo /bin/mkdir -p /usr/local/Cellar /usr/local/Homebrew /usr/local/Frameworks /usr/local/bin /usr/local/include /usr/local/opt /usr/local/sbin /usr/local/share/zsh /usr/local/share/zsh/site-functions Password:
最後にPasswordを求めるダイアログボックスがでるのでMacにログインするPasswordを入力して許可をクリックします。
$
記号がでればインストール終了です。
HomebrewのPathを設定する
Homebrewのインストールができたらインストール先のPathをターミナルに認識させます。これを「Pathを通す」と言います。
設定は.bash_profileという設定ファイルにPathを書き込むことで行えます。
今回はechoコマンドで書き込みます。ターミナルで次のコマンドを実行します。
echo 'export PATH=/usr/local/bin:$PATH' >> ~/.bash_profile
何も反応はありませんが実行されているはずです。
書き込めたかどうか確認します。
テキストエディタを立ち上げて、.bash_profile
ファイルを開きます。
.bash_profileはHomeディレクトリにあります。ただし、ピリオドではじまるファイルは不可視ファイルなので通常は見ることができません。
表示させるには、ファイルを選ぶダイアログが開いたところで、shiftキーとcommandキーと.(ピリオド)キーを同時に押します。
shift + command + .
すると今まで隠れていた.
ではじまるファイルも一覧に表示されます。
.bash_fileを見つけたら選択して開きます。
ファイルに次のように書かれていたらOKです。そのまま閉じます。
export PATH=/usr/local/bin:$PATH
もし間違っていたら、テキストエディタで書きかえて問題ありません。
書き込んだ内容を有効にするためターミナルを再起動します。
ターミナルを終了するにはexitコマンドを実行します。
exit
終了画面がでたら左上の赤丸をクリックして画面を閉じます。
デスクトップ画面上のファイルメニューにある「ターミナル」をクリックします。
「ターミナルを終了」をクリックします。
これでターミナルが終了するので、もう一度ターミナルを立ち上げます。
確認のためbrew -v
コマンドを実行してHomebrewのバージョンを調べます。
brew -v
次のようにバージョンが返ってくればインストールは成功しています。
Homebrew 1.5.10
rbenvのインストール
つづいてrbenvをインストールします。
さきほどインストールしたHomebrewを使ってrbenvをインストールします。
まずbrewコマンドでHomebrewを最新にアップデートします。
brew update
Homebrewのインストール直後ならAlready up-to-date.
と返ってきます。アップデートがあればアップデートされます。
アップデートが終了したら次のコマンドを実行してrbenvをインストールします。
brew install rbenv
インストールできたらrbenvの起動設定とpathの設定をします。
さきほどと同じように.bash_profileに設定を書き込みます。
次の2つのコマンドを実行します。
echo 'export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"' >> ~/.bash_profile
echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> ~/.bash_profile
結果が気になるときは、さきほど同様.bash_profileを確認します。
書き込んだ内容を修正したい場合は、テキストエディタで書きかえても問題ありません。
書き込んだらターミナルを再起動することによって設定を有効にします。
再起動が済んだらrbenv -v
コマンドでrbenvのバージョンを確認します。
rbenv -v
rbenv 1.1.1
のようにバージョンが返ってくればインストールが成功しています。
次に、rbenvと一緒にインストールされているruby-buildのバージョンを確認します。
ruby-build --version
ruby-build 20180224
のように返ってくれば大丈夫です。
もし何も返ってこなければ、ruby-buildを次のコマンドでインストールします。
brew install ruby-build
インストールしたらバージョン確認をして返答があればインストールは成功しています。
Rubyをインストールする
Rubyのインストール
rbenvでRubyをインストールします。
まずインストール可能なRubyのバージョンリストを確認します。
次のコマンドを実行します。
rbenv install -l
(最後の文字は英小文字のエルです)
コマンドを実行すると、次のようにたくさんの種類が表示されます。
1.8.5 ...... ...... ...... 2.5.0-dev 2.5.0-preview1 2.5.0-rc1 2.5.0 2.6.0-dev 2.6.0-preview1 jruby maglev mruby rbx ree ...... ......
Rubyにはいろいろ種類があります。リストの中で、数字からはじまる種類が一般的に使うRubyです。これらの中から必要なバージョンを選びます。
現在の最新安定版は2.5.0ですが、最新版には対応していないシステムもあるので2.4台がおすすめです。
今回は2.4.3をインストールしました。
バージョンを決めたら次のようにインストールします。
rbenv install 2.4.3
実行するとインストールがはじまります。
Installed ruby-2.4.3 to /Users/username/.rbenv/versions/2.4.3
が出たらインストール完了です。
インストール先のPathは覚えておくと何かのときに役立ちます。
Rubyのバージョンを切り替える
インストールしたバージョンが使えるようにgrobal
コマンドで切り替えます。
rbenv global 2.4.3
これでインストールしたRubyのバージョンが使えるようになりました。
確認します。
ruby -v
ruby 2.4.3p205 (2017-12-14 revision 61247) [x86_64-darwin17]
のようにバージョンが返ってくればOKです。
これでRubyが使えます。
rbenvを使ったRubyのアップデート
Rubyをアップデートしたい場合はrbenvを使って新しいバージョンをインストールします。
やり方は次のとおりです。
まずHomebrewをアップデートします。
brew update
Homebrewでインストールしたruby-buildをアップデートします。
Homebrewでインストールしたシステムはbrewコマンドでアップデートできるので便利です。
brew upgrade ruby-build
アップデートが終了したら最新のRubyリストを確認します。
rbenv install -l
リストの中から希望のRubyバージョンを選んでインストールします。
rbenv install x.x.x
インストールしたらバージョンを切り替えます。
rbenv global x.x.x
これでアップデート完了です。
あとはバージョンアップの度にこの繰り返しです。
rbenvでインストールしたRubyの確認
インストール済のバージョンを確認するにはrbenv versions
コマンドを使えばリストが表示されます。
rbenv versions
コマンドを実行すると、次のように返ってきます。
system 2.3.1 2.4.0 2.4.1 * 2.4.3 (set by /Users/username/.rbenv/version)
リストに表示されている古いバージョンにもrbenv global
コマンドで切り替えることがきます。
以上がRubyのインストールとバージョン管理方法です。
このようにパッケージ管理システムを導入すれば、ソフトウェアの管理が楽になります。
次回からRubyのコードを書きはじめます。
今回の環境
macOS 10.13.3